むくみとは医学用語では「浮腫(ふしゅ)」といいます。
ふつうは痛みなどは伴わず、すねを指で数秒押してみて指を離したときにへこんだまましばらく指のあとが残るのが特徴です。
脚のむくみの原因は
- 塩分の摂りすぎ
- 冷え性
- 睡眠不足
- ホルモンバランスの乱れ
- 運動不足
- 長時間座りっぱなし(血行不良)
- 立ちっぱなし(血行不良)
- リンパの流れ・代謝が悪くなる
- 肝臓と腎臓の障害
- 心不全・下肢静脈瘤ほか
- 栄養失調
- その他、薬の副作用による薬剤性、内分泌疾患、関節リウマチなどのアレルギー疾患
などが挙げられます。
高齢者に多いのが「慢性下肢浮腫」
慢性下肢浮腫とは、病気によるものではなく、高齢者特有の生活習慣(長時間同じ姿勢をとり続けるなど)によって生じる足のむくみです。
長時間同じ姿勢を続けることで、足首から心臓へと血液を送り出すふくらはぎの筋肉が動かされず、下肢の血流がとどこおってむくみが発生します。
脚のむくみの解消
静脈から心臓へ血液を戻すために使えるのは足の筋肉です。
足の筋肉が衰えると、筋肉で血流を押し上げるポンプ機能が弱くなり血流不足になってむくみやすくなります。
その他の改善方法は、、、
マッサージ
脚のむくみを解消するには、マッサージが効果的です(がん手術後のリンパ浮腫の場合には、必ず医師に相談してから始めてください)。
マッサージといっても、もむのではなく、なでるようにしてリンパ液の流れを改善します。
リンパ液には老廃物を運搬する働きがあるので、脚の疲れをとる効果もあります。
(1) 両手をひざの両側からももの付け根に向けて、ももをやさしくなで上げます。最初は、ももの表側を下から上に向けてなでます。
(2) ももの裏側を下から上に向けてなでます。
(3) 次に足首に両手をあて、ひざに向かってなでます。
(4) ふくらはぎをひざ裏に向かってなでます。
(5) 最後に、足首付近から脚の付け根に向けて、そっとなでます(表側と裏側)。
床に座って脚を軽く伸ばし、ひざを少し立てる姿勢をとると、マッサージをしやすくなります。いずれも力を入れず、10回程度ずつ行います。
むくんだ部分をあげる
特に足に効果的な方法です。重力の影響でどうしても足はむくみやすくなりがち。
足がむくんだら、オットマンなどを利用して足を水平にしましょう。
そのほか、床に寝て足を壁やベッドなどに立てかける方法もあります。
足を心臓より上の位置にあげることで、重力を逆手にとってむくみを解消します。
湯船に浸かる
しっかり体を温めることで血流促進。
また、お湯の水圧で適度に体に圧がかかり、滞った水分を流してくれます。
湯船にお湯をためる時間のない人は、シャワーの時に足元だけお湯をためて足湯にするなどでも効果があります。
むくみの予防
適度の運動
ふくらはぎやももの筋肉が弱ると、血液などの流れが悪くなり、むくみやすくなります。
ウオーキングや散歩などで、よく歩くことを心がけましょう。
簡単!1日1回 むくみ予防体操
足の指の運動
① 靴を脱いで椅子に座ります。
② 足の指に力を入れて、指を曲げるグーと指を伸ばすパーを繰り返します。
足を弾ませる運動
① 足首を動かしやすいように椅子に座ります。
② 座ったまま足だけをジャンプをするように、リズミカルに両足を弾ませます。
足首の運動
① 両手で椅子を持ち、片方の膝を伸ばします。
② 伸ばした側の足首を手前に4秒曲げて、その後つま先を4秒伸ばします。
かかと上げ
① 膝が90度になるように椅子に座ります。
② そのまま両足のかかとをしっかりと持ち上げます。
アキレス腱伸ばし
①立って痛みを感じないぐらいまで大きく前後に足を開く。
②前の足、後ろの足ともに、足の裏はピッタリ床につける
③そのまま体をゆっくり前に倒し、後ろ足の筋肉が伸びたところでストップ
足首回し
①座ってでも、あおむけでも足首を右回し・左回ししてください。
足ぶらぶら運動
①仰向けになって両足をバタバタと動かします。
階段を使う
階段の上り下りは、脚の筋肉をよく使うので、血行などの改善に効果的です。
日ごろからできるだけ階段を使うようにしましょう。
(ひざ痛や腰痛がある人は、無理をしないでください)
脚の先を動かす
脚の先を動かすと、ふくらはぎの筋肉も動き、血液などの流れがよくなります。
いすに腰かけた姿勢で、かかとを上げ下げする。また、かかとを床につけて、つま先を上げたり、伸ばしたりする運動をしましょう。
弾性ストッキングを着用する
足がむくみやすい人におすすめなのが弾性ストッキングやソックス。
ふくらはぎや足首を圧迫することで、足にたまりがちな血管やリンパ管を刺激して、血液やリンパ液をもどしやすくして、むくみを予防します。
塩分を摂りすぎない
体は常に体内の塩分濃度を一定にする働きがあります。
そのため、塩分の多い食事を摂ると、体は水分を溜め込んで塩分濃度を下げようとします。
それが、むくみになる可能性もあります。
アルコールは飲みすぎない
ビール、ワイン、お酒など、アルコール類を飲むと、体の血管が広がって一時的には血行がよくなるのですが、喉が乾くので水分を多く摂ることに。
また、アルコールのつまみは基本的に塩分が高め。
そのため、アルコール自体はもちろん、アルコールを飲む環境も、むくみをまねきやすくなります。
体を締め付ける服は避ける
きついブラジャーやガードルなど、体を締め付けるものは、血行を妨げます。
特に、体の中心部を覆うブラジャーやガードルなどには配慮しましょう。
自分のサイズにあった下着を身につけましょう。
体を冷やさない
体が冷えると、血行が悪くなりむくみやすくなります。
特に、足はむくみやすいので足首からふくらはぎを冷やさないこと。
足が冷えたと感じた日は湯船に浸かって体を温めるか、時間がない時は足湯をして冷えを解消してから就寝しましょう。