認知症やベッドで過ごすことが多い人で、知らないうちにベッドから起きたり、部屋から出たりして見守りが難しい方がいると思います。
そこでベッド上生活が多い方の、見守りセンサーなどを紹介します。
おおまかに7種類あります。
【ベッドから離れた時、知らせてくれるもの】
「ベッドを下りる」初期の段階で発見することができるため屋内で対処しやすく、また歩行が安定しない方は転倒やケガを未然に防ぐこともできます。主にベッド上で生活している人向けです。
概要 | 通知時 | 価格 | |
ベッドセンサー | マットレスのすぐ上にセンサーを敷く | 体を起こしたとき | 50,000円~80,000円 |
タッチセンサー | ベッド柵に巻きつける | センサーのベッド柵をつかんだとき | 50,000円~55,000円 |
クリップセンサー | 紐がつながったクリップを取り付ける | センサー本体から紐が外れたとき | 38,000円~70,000円 |
ベッドサイドセンサー | マットレスの上面の端に設置 | ベッドの端に座る、転落しそうなとき | 30,000円~50,000円 |
床マットセンサー | 起き上がって足をマットセンサーについた時 | 足を下ろしてベッドに座ったとき | 20,000円~120,000円 |
タグセンサー | タグ受信器のエリアに入ったとき | 指定範囲の場所に通過したとき | 25,000円~40,000円 |
赤外線センサー | 赤外線ビームを遮ると音が出る | 設置に自由度があり、カバーできる範囲が広い。 | 110,000円~ |
①ベッドセンサー
ベッドのマットレスのすぐ上に乗せ、寝たら肩~腰辺りになるように、センサーパッドを敷くのものです。また、マットレスの下に敷くタイプもあります。
体重がセンサーパッドにかかっていると正常に判断し、上半身が起き上がり加重されなくなるとお知らせします。
【向いている人】
- ベッドからの立ち上がり時に、すぐに転倒する可能性がある方(転倒リスクが高い)
- ベッドから転落の可能性がある方。
- 起き上がった時点で知らせてくれるため、迅速に対応できる。
- 早期発見できるため事故や転落を防止できる。
- 防水シーツなどをかぶせたりするため、汚れることがあまりなくて衛生的。
- 寝返りなどで、一時的にセンサーパッドに体重がかからなかったことで報知されたり、本当に一旦起き上がったけど、駆けつけた時にはまた寝ていた。など不必要に通知されることがある。
- センサーパッドの耐久性が悪く1年~3年くらいごとの交換となる。
②タッチセンサー
センサーパッドをベッド柵や介助バーに巻きつけて設置するタイプ。高齢者が起き上がろうとして柵をつかんだときに通知されます。
【向いている人】
- ベッド柵を抜いてしまう人。
- ベッドからの立ち上がり時に、すぐに転倒する可能性がある方(転倒リスクが高い)
- ベッドから転落の可能性がある方。
- ベッド柵につかまって起き上がった時点で知らせてくれるため、早めに対応できる。
- 早期発見できるため事故や転落を防止できる。
- 寝返りをするのに柵を握る方には、不必要に通知してしまうので適しません。
- ベッド柵をつかむことがない人は適しません。
③クリップセンサー
衣類や掛け布団に紐がつながったクリップを取り付けるタイプ。(ワイヤレスもあり)
掛け布団のシーツの端にクリップで挟んでおいて、高齢者が起き上がる際に掛け布団をはぐとセンサー本体から紐が外れてお知らせします。
不使用時はスイッチをOFFにすればプレートが抜けても通知は出ません。
- 他のものに比べて安価。
- 本体はベッドの頭側ボードや柵に設置するので、衛生的で壊れにくい。
- 車椅子での立ち上がりやズリ落ちにも使え1台2役です。
- クリップがついた紐は消耗品で交換必要。
④ベッドサイドセンサー
上半身を起こして、ベッドの端に座ろうとしたり、ベッドから落下しそうになった時に、マットレスの上面の端に設置したセンサーパッドが感知します。
【向いている人】
- 床マットセンサーのように、立ち上がってからセンサーが感知して駆けつけては、転倒している恐れがあり、ベッドセンサーまでは早く通知する必要はないけど、少し早く行動されているのを知りたい場合に向いています。
- 扱いやすく簡単設置。
- 床に敷くマットセンサータイプと同様、体重がかかった時だけセンサーが働くので、センサーパッドは長持ちします。
- 防水シーツなどをかぶせたりするため、汚れることがあまりなくて衛生的。
- 立ち上がろうとするのではなくて、ベッドの横によく座る方への設置には向きません。
- 寝返りなどで脚がセンサーパッドに乗っても報知してしまいます。
⑤床マットセンサー
ベッド横の床の上にセンサーを敷いて起き上がって足をマットセンサーについた時にお知らせします。降りる側の床にセンサーを置きましょう。
【向いている人】
- 一人でベッドから離れると転倒の恐れがある方。
- ベッドから車椅子やポータブルトイレに移る際に転倒の恐れがある方。
- 徘徊する恐れのある方に向いています。
- 感知したい通過点さえわかっていれば、カンタンに設置が終わること。
- ベッド脇だけでなく、出入り口に設置することもできます。
- マットを置いて親機につなぐだけの簡単設置。
- 不必要にコールすることが少ない
- マットを踏めば感知するので、介助者が踏んでも作動します。
- 介助のためマットを踏んでしまうとき、いったん離床センサーの電源を切ってから介助を行う方法はありますが、再度電源をオンにするのを忘れやすい。(現在は自動スタート機能付きもあります。)
- マットを避けて踏まれると感知できないこと。
⑥タグセンサー
ID タグを付けた高齢者がタグ受信器の 3m~5m 以内のエリアに入ると報知します。
- 腕時計タイプ小型生活防水タグを使用。
- 工事が必要なく、簡単に設置でき、設置場所の移動も可能です。
- 腕時計タイプ小型のID タグのため外される可能性あり。
⑦赤外線センサー
見えない光線が出ていて、その赤外線ビームを遮ると音が鳴り離れた室内へ知らせます。
【向いている人】
- 設置に自由度があるので、カバーできる対象者が広い。
- さまざまな場所に設置できる。
- 設置に自由度があるので、設置位置・光線方向の調整によって、マットセンサー、ベッドセンサー、ベッドサイドセンサーが適している多くの方をカバーできます。
- ベッドセンサーの消耗品であるセンサーパッドを交換する必要がないので、価格は高いですがコストパフォーマンスに優れている。
-
- 光線発光部分に介助者の体が当たってしまうことによって光線の方向が変わってしまうことがあります。
- 布団などに光線が当たってしまい、不必要にコールしてしまうことがあります。
上記の問題がありますが、すぐに光線の向きを調整すれば簡単に解消できます。いろいろな角度調整をしてベストな位置を見つけましょう。
【ベッドからの転落や転倒する可能性が高い場合】
高齢者が起きあがるタイミングで通知するタイプが適しています。
高齢者が動き出したときにに通知されるため、時間的余裕をもって対応することができます。
ただし寝返りなどの動きでも通知されてしまうこともあります。
<適しているタイプ>
①ベッドセンサー、②タッチセンサー、③クリップセンサー、⑦赤外線センサー
【徘徊する可能性がある場合】
徘徊する可能性があり、日常的にベッドから起き上がっている対象者の場合は、起き上がったタイミングで通知するタイプでは不必要に通知されてしまいます。この場合には、対象者がベッドから降りようとするタイミングで通知するタイプが適しています。
<適しているタイプ>
④ベッドサイドセンサー、⑤床マットセンサー、⑥タグセンサー、⑦赤外線センサー
【ランニングコストやセンサーパッド交換の手間を抑えたい場合】
センサーが常時通電するタイプは消耗しやすく、センサーパッドの定期的な交換が必要になります。ベッドセンサーのセンサーパッドの寿命が1~3年と言われており、ランニングコストを抑えたい場合は、以下のタイプが適しています。
<適しているタイプ>
②タッチセンサー、③クリップセンサー、④ベッドサイドセンサー、⑤床マットセンサー、⑥タグセンサー、⑦赤外線センサー
・対象者がどのような状況で転倒・転落するか
・どのタイミングでの通知が必要か
・ケーブル式、コードレス式を選ぶ
離床センサーを選ぶときは上記のことを参考にして、高齢者の状況や身体能力応じた製品を選びましょう。
身体のレベルには個人差があるため、福祉用具専門相談員や製品を取り扱う専門の人に相談してみましょう。
自分の困っていることや希望などを伝えて、どのような製品があるか聞いてみましょう。
担当のケアマネジャーがいる場合は福祉用具専門相談員を紹介してもらうのもいいですね。