高齢者施設の種類には何があるの?何が違うの?
高齢者施設にはいろいろな種類があって、預けようにも、どこにお願いをすればよいかわかりません。
「何がどう違うの?」と思ったり「選び方がわからない」という方に大まかに数えて9種類を簡潔に、わかりやすく書いてます。
体の不自由さや認知症の度合いをメインにその施設に合っているか、まずは確認しましょう。
高齢者施設に入るには身体機能・認知機能を総合的に判断した介護度が必要となります。
その介護度と年齢が入居条件の1つであり、その他「医療的行為が必要か」
「保証人、身元引受人がいるか」
「支払い能力があるか」
などがあります。
下の表は、おおよそ上から体の不自由な方が入居しやすい順で、下に行くほど自立度が高くなっています。
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特別養護老人ホーム
施設種類 | 公的 |
介護度 | 要介護3以上65歳以上 |
費用 | 月8〜14万円 |
リハビリ | △ |
入居待ちの期間 | 長い |
認知症受け入れ | 〇 |
体の不自由さ・認知症の度合い | 重度~中等度 |
その他 | 終身まで入居可 |
- 体の不自由さ・認知症の度合いが重度の方が優先。
- 費用が安く人気。収入や年金に応じて費用負担が軽くなる負担額軽減制度があり所得の低い方も利用しやすい。
- 数年待ちが多い。
- 身の回りの世話がメイン。
- 医療依存度の高い方の受け入れ困難なこともあり。
- 特別なプログラムのもとで行われるリハビリはなし。(施設によってはリハビリスタッフがいる場合もあります)
介護老人保健施設
施設種類 | 公的 |
介護度 | 要介護1以上65歳以上 |
費用 | 月9〜15万円 |
リハビリ | 〇 |
入居待ちの期間 | 長いこともあり |
認知症受け入れ | 〇 |
体の不自由さ・認知症の度合い | 重度~中等度 |
その他 | 長期入所できない |
- 費用が安く人気。入居まで時間がかかることあり。
- 在宅復帰を目指す施設のため長期入所できない。
- 医療体制が充実。
- 専門職によるリハビリを受けられることが一番の特徴。
- 少ないが看取り(終身まで)を行っている施設もあり。
介護医療院(介護療養型医療施設)
施設種類 | 公的 |
介護度 | 要介護1以上65歳以上 |
費用 | 月9~17万円 |
リハビリ | 〇 |
入居待ちの期間 | 長いこともあり |
認知症受け入れ | 〇 |
体の不自由さ・認知症の度合い | 重度~中等度 |
その他 | 医学的ケアが必要な方が対象 |
- 医学的ケアがメイン。
- 急病から回復している段階の方を対象。
- 費用が安く人気。入居まで時間がかかることあり。
- 居住環境や設備は通常の入院病床に似ている。
- ターミナルケアや看取りへの対応力も高い。
介護付き有料老人ホーム
施設種類 | 民間 |
介護度 | 介護専用型:要介護1~5(自立型もあり:自立の方) |
費用 | 月15~35万円 |
リハビリ | △ |
入居待ちの期間 | 短い |
認知症受け入れ | 〇 |
体の不自由さ・認知症の度合い | 重度~軽度 |
その他 | 民間だが都道府県から指定を受けている特定施設 |
- 食事、洗濯、清掃等の生活支援、排せつや入浴等の身体介護、機能訓練、レクリエーション、サークル活動などのサービスが可能。
- 施設の職員が介護をする所と、介護を外部の事業所が行う「外部サービス利用型」がある。
- 動ける方が将来的に介護を必要とするようになったとしても、そのまま入居し続けることが可能。
- 看取り可能な施設が多い。
- 「介護付き」と書いてあれば行政に指定されている 安心の老人ホーム。
- 施設ごとで特色があるため、希望するリハビリに対応しているか確認必要。
- 入居一時金の相場が数十万~数千万など差が大きいので確認必要。
グループホーム
施設種類 | 民間 |
介護度 | 65歳以上、要支援2または要介護1以上の認知症患者 |
費用 | 月10万円~20万円(都会では月15万円~30万) |
リハビリ | △ |
入居待ちの期間 | 長い場合もあり |
認知症受け入れ | 〇 |
体の不自由さ・認知症の度合い | 動ける方で認知症状がメインの方 |
その他 | 認知症であることが入居条件になるため、認知症を証明できる医師の診断書が必要 |
- 地域密着型サービスのため施設と同一地域内の住居と住民票があること。
- 特別なプログラムのもとで行われるリハビリはなし。介護職員が生活リハビリとして行う程度。
- 認知症高齢者を対象とした施設のため認知症ケア専門のスタッフ常駐。
- 入居者が少人数でコミュニケーションを図りやすく、アットホームな空間での生活。
- 介護を受けながらも、ある程度は自立して日常生活を送れることが利用の条件であるため、要介護度が上がると、退居しなくてはならないことがある。
- 入居一時金あり、相場は数万~20万円ほどで差があり確認必要。
住宅型有料老人ホーム
施設種類 | 民間 |
介護度 | 自立~要介護5、年齢はその施設で違う |
費用 | 月15~35万円 |
リハビリ | △(外部サービス利用) |
入居待ちの期間 | 短い |
認知症受け入れ | △(軽度) |
体の不自由さ・認知症の度合い | 軽度 |
その他 | 介護サービス費用が個別に契約することになるため別途必要 |
- 主に自立度の高い高齢者を対象。
- 入居年齢は60歳以上、65歳以上とするところが多い。
- どんなサービスを利用していくかは、個別に契約したケアマネジャーと相談し、ケアプランを立てていく中で決める。
- 要介護の方なら訪問介護、通所介護など、在宅介護者向けの居宅サービスをあわせて利用する必要あり。
- リハビリの専門家によるサービスを受けたい場合、訪問リハビリや通所リハビリの外部サービスを利用するのが基本。
- 入居一時金0~数千万円とかなり差がある。なお近年は、入居時一時金が無料で、月額利用料を比較的高めに設定する施設も増えている。
サービス付き高齢者住宅
施設種類 | 民間 |
介護度 | 60歳以上で、自立した生活ができる要介護者・要支援者 |
費用 | 敷金・礼金…0円~数百万円
家賃・光熱費…月15万~25万円 |
リハビリ | △(外部サービス利用) |
入居待ちの期間 | 短い |
認知症受け入れ | △(軽度) |
体の不自由さ・認知症の度合い | 自立度が高い方 |
その他 | 介護サービスは外部 |
- 「まだ元気だけど、心配だから施設にお願いしたい」と考えている家族向け。
- 主に自立(介護認定なし)や軽介護度の高齢者を受け入れる賃貸住宅。
- 日中は生活相談員が常駐し、入居者の安否確認やさまざまな生活支援サービスを受けられる。
- 介護サービスが付いていないため、外部の介護サービス・食事サービスなどを利用すると費用が上乗せされる。
- バリアフリー構造の住宅。外出や外泊が可能で自由度が高い。
- 夫婦2人で入居をしているというケースも多く見られる。
- 入居一時金として、敷金(賃料2~3ヵ月分)必要。
軽費老人ホーム(ケアハウス)
施設種類 | 公的 |
介護度 | 60歳以上、自立~軽度の要介護 |
費用 | 月6~17万円 |
リハビリ | △(外部サービス利用) |
入居待ちの期間 | 短い |
認知症受け入れ | × |
体の不自由さ・認知症の度合い | 自立度が高い方 |
その他 | 介護サービスは外部 |
- あくまで「施設ではなく住宅」のため、入居者が建物の一室を間借りし家賃を払う形態はマンションやアパートと同じ。
- 入居者の安全確認や生活相談を担うスタッフが常駐しているが、基本的に介護職員は配置されていない。よって食事や排泄の介助といった介護サービスは提供されない。
- 自分で身の回りのことができる、共同生活に適応できる、月収が34万円まで。などの条件あり。
- 費用・料金的に低所得者が優遇される。
- 費用は本人もしくは家族の世帯年収によって、費用の減額措置がなされ、大きな差が生じる。
- 見守りや外出時のサポートといった生活援助中心のサービスのみ。
- 入居一時金が、一般型で約30万円、介護型で数十万~数百万円必要。
健康型有料老人ホーム
施設種類 | 民間 |
入居条件 | 65歳以上で完全に自立して生活できる方 |
費用 | 10万~40万円 |
リハビリ | ×(施設内のスポーツジムなどで運動をする) |
入居待ちの期間 | 短い |
認知症受け入れ | × |
体の不自由さ・認知症の度合い | 自立度が高い方 |
その他 | 介護が必要になった場合は退去 |
- 自立した高齢者に特化した施設。
- 食事や掃除、洗濯など、生活上必要な家事はすべて施設側が行ってくれる。
- 介護サービスは外部を利用。
- 「第二の青春」を送るための設備やサービスが充実。
- 外部サービスを利用することで、健康状態を管理。
- 要介護度が高いと介護サービス費用が割高。
- 一般に、入居一時金や利用料が高い。
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